『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)
【第七十三回】

【原文】
高砂の尾上の櫻咲きにけり
外山の霞たたずもあらなむ
[前中納言匡房(さきのちゅうなごんまさふさ)]

【読み】
たかさごの おのえのさくら さきにけり
とやまのかすみ たたずもあらなん

【意味】
はるかに見渡す高い山の峰に桜が咲き出した。あの桜が見えなくなっては残念だから、里に近い山の霞よ、どうか立たないでほしい。

【斬り】
遠くに見える山の高さ。
近い山の霧。遠近を感じる構成。
そして、霞を止めておく事で、
かえって時空的な広がりを感じさせる歌ですね。

ふっふっふ。

私もだいぶ分かってきましたよ。
「そんな遠い山の桜なんか見える訳無いやろ!」
そんなことは言いません。

日本アニメ界の巨匠のどなたかに、
是非映像化して欲しい風景です。

ががっとね。
こう、山がががっとせり上がりつつも、桜が咲いていたりして、
次に、視点が手前の山にかかる霞に移りまして。
霞がもや〜っと立ち上がるのを、モンンティパイソンに出てくる
ハンマーがぐしゃっとつぶす。
そんな感じで。

・・・。わからないですか。
わからないですよね。

いや本当に。
「わかりやすく面白さを伝える」というのは大切なことだと思うんですよ。
もしも私にそんな能力があるのなら、
思いついた情景をすべて文章にして
皆様にお伝えすることでしょう。

あ〜あ。
しかし悲しいかなそんな能力があまりないので、
毎回うだうだと、思いつく端から適当な文章を書いているという
訳なんです。

そんな時届いた氷室冴子さんの訃報。

・・・私、頑張る!
あと4分の1ほど残っているこのプロジェクト。
「百人一首を斬る」
プロジェクト名にふさわしい、コーナーにする!

ありがとう、氷室冴子!
さようなら、銀の海金の大地!

ご冥福をお祈りします。

(現代語訳は、Webサイト小倉百人一首さん http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/から引用しました。)

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