『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)
【第七十回】

【原文】
淋しさに宿を立ち出でてながむれば
いづこも同じ秋のゆふぐれ
[良暹法師]

【読み】
さびしさにやどをたちいでてながむれば
いずこもおなじあきのゆうぐれ

【意味】
さびしさにたまらなくなって、庵を出てあたりを見回せば、どこを見ても同じようなさびしい秋の夕暮れの景色であることよ。

【斬り】
はい。百人斬りも、とうとう70回までまいりました。
あと一年で終わり、といったペースでしょうか。

さて。秋の歌。
俳句のような歌やね。


暮れてゆく空は
戻らない季節のようで
淋しいけれど
いつもきれい


by遊佐未森。
中学〜高校の頃聞いていました。
そんな感じ。

子どもの頃、昼寝して起きたら夕方。
友だちが外で遊んでいる声がして、
ちょっと寂しい気分になって、
外に出てみたら、もう誰もいなかった。
そんな感じ。やね。

遊佐未森『暮れてゆく空は』を、YouTubeで発見。
そうか。もう44歳なのね。
ほうほうなるほど。

遊佐未森を中高で聞けていた私と、
そうでない人とでは、
ピュアレベルが5くらい違うんだ!
と、言いたい。

なんなんだ。ピュアって。
役に立たねえなぁ。
まぁいいや。

良暹法師の歌はどこへやら。
遊佐未森で熱くなってしまったね。
テヘッ。

記念すべき七十番は、遊佐未森で終わりました。
だって好きなんだもん。

『髪結いの女たち』で使った渡辺美里の『MyRevorution』もそうやけど、
どんなに格好つけたって、結局は中学校の時に聞いていたものに帰るような気がするな。

【解説】
遊佐未森(ゆさみもり):88年デビュー。最近は、NHKみんなのうた『クロ』が有名。カップヌードルのCM曲になった『地図をください』が有名かな。なんか、ふわふわした声で夢見るような歌を歌っていた。90年半ばから恋系の歌が増えて来て、私の友だちAは「ちょっとがっかり」とこぼしていた。

(現代語訳は、Webサイト小倉百人一首さん http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/から引用しました。)

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