『黒木陽子の百人一首を斬る!』 (略して『陽子の百人斬り!』) 【第六十七回】 【原文】 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそをしけれ [周防内侍(すはうのないし)] 【読み】 はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かいなくたたん なこそおしけれ 【意味】 (関白教道邸で女房たちが語り合っているときに、ふと横になって「枕が欲しい」とつぶやいたときに大納言忠家が御簾の間から腕を差し入れたのに返した歌) この短い春の夜のほんの夢のようなたわむれにあなたの手枕を借りたために、つまらない浮き名が立ってしまっては口惜しいのです。 【斬り】 コバルト文庫(※)か。 意味を読んで、思わずギャッ!となってしまいました。 なんだなんだ。この少女大好物なシチュエーションは!! そしてなんなんだ、この大納言忠家という人は!! 恥ずかしくて身もだえしそうです。おしりがもぞもぞします。 そこで私は気がついたのですが、 女の子は、「びっくり」に、弱い!! それも他の人がいる中での直接的なびっくりに弱い!! 私も、高校時代、Fくんに「わっ!」と驚かされたことがきっかけで好きになったのだ。 …思いっきり個人的な意見だな。 少なくとも、私は「びっくり」に弱いです・・・。 でも、「ギャップ理論」と近いところがあると思うんだけどなぁ〜。 さて。 この大納言忠家という人をネットで調べてみました(便利!) そしたらば、この歌とともに、もう一つ有名なエピソードを発見。 ------------- またもや女を御簾ごしにみつけた大納言。 抱き寄せようとしたら、 女が「あらいけません」という言葉とともに、おならしたのだった。 大納言忠家は恥ずかしいやら怒りやらでぷりぷりぷりぷ〜と、 その家を飛び出し、この上は出家しよう!と、思いつめるが、 「なんであんな女のために」と、思い直したのだった。 (概要です。ちょっとちがうかも) ---------- ・・・なんなんだ。この男は。 おならぐらいで。 ますますコバルト文庫に出てくる、ハンサムだけど気位の高い男っぽい(声:子安なんとか)。 そして、本題であるこの歌。 周防内侍の返し方も、まるきり少女漫画キャラだ。 勝気な主人公。 プレイボーイな大納言をいつも軽くあしらっているのだが、 なんやかんやあって、結局二人は結婚するのだ。 スクリューボールコメディだ。 しかし現実はどうだ。 多分二人は結婚していない。 そして気がつけば30歳。 少女じゃない!! うわ〜っ!! ・・・なんのこっちゃ。 ※コバルト文庫 少女小説。中学生のとき愛読していた。さえない女の子が、かっこいい男たちに取り合いされたり、誰にも無い力を持っていたり、違う国の王女様だったりするお話が満載でした。 (現代語訳は、Webサイト小倉百人一首さん http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/から引用しました。) |
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