『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)
【第六十一回】

【原文】
いにしへの奈良の都の八重櫻
けふ九重に匂ひぬるかな
[伊勢大輔(いせのたいふ)]

【読み】
(いにしえのならのみやこのやえざくら きょうここのえににおいぬるかな)

【意味】
(奈良の僧都から届いた八重桜を受け取る役目を授かり、御前にささげる時に詠んだ歌)その昔、奈良の都に咲いていた八重桜が、今日は九重の宮中に咲き匂っているのです。

【斬り】
またまた出ました。
花の24年組。
じゃなかった。
花の彰子・定子女流歌人時代。(勝手に命名)

九重(ここのえ)っていうのは、宮中の別名なのね。ほうほうなるほど。

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「重」(え)・・・数助詞。重なったものを数える言葉。

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へ〜。なんかきれい。どこまでいけるやろか。

「一重まぶた」
「二重まぶた」
「三重」・・・3色の色糸で模様を織り出すこと。また、その織物。
「四重禁」・・・仏語。4種の重罪。殺生・偸盗(ちゅうとう)・邪淫・妄語。
「五重塔」

「六重」・・・なんも出てきませんでした。

六で途切れたか。

しかし。なんか楽しい。「重なり」って楽しい。
「合わせる」んじゃないんだぜ。「重ねる」んだぜ。
そこになんかかっこよさを感じるぜ。

その概念を忘れていたなぁ〜私。

さて。芸術文化振興基金の助成金に、来年度から新たな項目「多分野共同等芸術創造活動」が加わりました!(概要はこちら→http://fringe.jp/topics/2007/10/081.html

おっ。いきなり助成金のおはなし。

でまあ、「珠光の庵」はこれで出せるんじゃないかと私思いつき、ミーティングの時に、説明会に行ったスタッフから詳しく聞いたんです。したらまぁ「出せないと思いますよ」と言われてちょぴっとがっかりしたんですが。
そのとき、「演劇はもともと総合芸術やからなぁ・・・。」と制作植村さんに言われたのです。

そう。演劇は総合芸術。というより、重なりの芸術なのだ!

・・・あかん。
芸術コラボレーションって成立するのか話、なんかしんどい。
なんかどうでもよくなってきた。(おいおい)

まぁ、私が言いたいのは、
「合わせる」以外に「重ねる」というやり方もあるよ!
ということなのです。

「あの人と合わへんなぁ・・・・」
というのは、よくあるけれども。
どんなに「合わない」人とでも、「重ねて」みることはできるんじゃないだろうか!

それを伊勢大輔は教えてくれたなあ。
ありがとう!

いや。違うか。
しかし、この歌は字面だけで、ピンクのふわふわが溢れ出す映像が頭に浮かびます。
「いにしえ」とかが、なんか適当でいいやん。
ねえ。


(現代語訳は、Webサイト小倉百人一首さん http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/から引用しました。)

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