『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)

【第五十二回】

【原文】
明けぬれば暮るるものとは知りながら
猶恨めしき朝ぼらけかな
[藤原道信朝臣(ふじわらのみちのぶ あそん)]
【読み】
(あけぬればくるるものとはしりながらなおうらめしきあさぼらけかな)

【通釈】
夜が明ければまた日が暮れて、またあなたと逢うことができるとは知っているが、それでもやはり、あなたと別れて帰る明け方は恨めしいものだ。

【斬り】
23歳没なんです、この人。かわいそう…。

そのまんまですよね。
だからこそ、古今東西の人の心をつくんやないですかね。
やっぱりなあ。ストレート直球はいいよ。
ひねると、49番の歌「みかきもり…」みたいになるで。

いやはや。
最近、とみにそう思うんです。直球の強さとか。結婚式ってやっぱりいいなあ、とか。披露宴は、できるならしたほうがいい、とか。
別に今陣内さんと紀香さんの披露宴を見ながら書いているからという訳ではなくて(いやそれもあるけど)、今月二組の披露宴に出させてもらって、まっすぐな幸せは強いなと思う機会が多かったんです。

めきめき保守的になっています、私。黒木が白木になってるわ。1900年代よ、さようなら。
なんのこっちゃ。

それはさておき。
「そんなことは知っているけど」
この部分がいいね!
プラスに働かせたいフレーズやね。

「自分をみがかなあかん。それは知ってるけど、お金も時間も無いなぁ…」

より

「お金も時間も無い。それは知ってるけど、やっぱり美人になりたいねん!」

この方がいいな。

この人は23歳で死んだけど、1000年後に私にそれを教えてくれたなぁ。
感謝!

(現代語訳は、Webサイト小倉百人一首さん http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/から引用しました。)
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