『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)

【第四十四回】

【原文】
逢ふことの絶えてしなくはなかなかに
人をも身をも恨みざらまし
[中納言朝忠]

【読み】
あうことのたえてしなくはなかなかに
ひとをもみをもうらみざらまし

【通釈】
あなたに逢うことが絶対にないならば、あなたを恨んだり、自分を恨んだりすることもないであろうに。

【斬り!】
エヴァンゲリオンか。
(古い…。)

以上。


嘘。これだけで済ませはしませんよ、もちろん。
え〜と。

いや違う。エヴァンゲリオンとの大きな違いは、そんな当たり前を大上段に構えず、当たり前は当たり前らしく、歌合わせという公の場で、サラリさらさらと歌っているところです。

こんな内容が個人的な手紙で来たら「ウワッヒャ!」と引いちゃいますよね。公の場で大人に詠まれたら見直すけど。
想いはたくさんの人に話すほど軽くなるからね。

まあいいや。
え〜と、でもわかる!わかるわぁ。この気持ち。

それをサラリと出す。それがファンタジーの機能。
大切やと思います。わたくしは。

(解釈は中央図書さんの古典の学習百人一首から)
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