『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)

【第四十三回】

【原文】
逢見ての後の心にくらぶれば
昔は物を思はざりけり
[権中納言敦忠]

【読み】
あいみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもわざりけり

【意味】
あなたと契りを結んでからの、この恋しく切ない心に比べると、あなたに逢えずにいた頃の私の思いなんて、底の浅いものであったのだ。

【斬り!】
皆さん。中学校以来、この歌はちょっとエッチな歌として、皆さん認識していたのではないでしょうか。

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君とセックスした後は、する前よりももっと君の事ばかり考えちゃってあら大変。このもんもんとした気持ちは一体全体どうしましょう。僕はそんな感じで君にもう夢中なんだ。
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そんな感じ。
ふ〜ん。へ〜。そう。

しかし、それで終わってもなんなので、この歌が読まれた背景を見てみましょう。

ほうほう。後朝(あとぎぬ)の歌なのね。
『なんて素敵にジャパネスク』を読んだ皆さんならおわかりでしょう。後朝っちゅうたら初めて二人で迎える朝ですね。つまり、初めてセックスした日、彼氏が彼女のマンションから出て、仕事へ行って、送ったメール、ということやね。

そりゃ、こんなの送られて、女はほっと一安心、というところやないでしょうか。

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女の職場にて。
女「いや〜。昨日な〜初めてやってんけど・・・良かったんやろか・・・もっとじらした方が良かったんやないやろか。どう思うどう思う?!」
友達「え〜。メール送ってみたら?」
女「いや〜!そんなん送られへんよ!!どうしよう!!」

♪ピピッ(メール着信音)
二人「「来た〜!!」」

「ぎゃ〜!!見て見て!彼ったら、こんなん送って来た〜!」
「ギョエ〜!良かったやん!ギャ〜!」
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ふ〜ん。そう。良かったね。
なんかな。人の幸せはどうでもいいな。

ただ、男の人は、初めてやった女の人には、
その日のうちにメールを送った方がいいと思いますよ。

この歌はそんな歌。

(現代語訳は、Webサイト小倉百人一首さん http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/から引用しました。)

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