『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)
【第四十一回】

【原文】
戀すてふ我が名はまだき立ちにけり
人知れずこそおもひそめしか
[壬生忠見]

【読み】
こいすちょう わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもいそめしか

【意味】
恋をしているという私のうわさは、はやくも世間に知れてしまった。人に知られないようにあの人のことを想いはじめたばかりなのに。

【解説】
960年の事。村上天皇の前で、歌合わせの会(物まね紅白歌合戦みたいな、紅白交互にやってその都度勝敗を分ける、あのゲーム形式だと思っていただければ)がありまして、この歌は、vol.40の歌(忍ぶれど・・・)と闘って破れたといわれているのだ。
そして、その悔しさあまり、作者の壬生っちは病気になって死んじゃったと言われているのだ。(んなアホな!)

【斬り!】
はっは〜ん。
わかった!

敗因:ひとりよがり

思い出してほしい。
前回の歌は、「恋してるんか?」と、人にまで訊ねられちゃったよ。どうしましょう。
という歌でしたね。

それにひきかえ、今回の歌と来たら。アナタ。

<人に知られないように想い始めたばかり>

<私のうわさが広まっている>

<世間に>

ほら。全部、妄想の中やん。
だいたい、人に知られないように「想い始めたばかり」といいながら、「世間」までその「うわさ」が広まっているって、ちょっとね。
自意識過剰じゃないのか、と、いいたいです、私。
自作自演臭が、プンプンいたします。
プンプン。

例えるならば。
vol.40の歌============

後輩OL「先輩、最近イキイキしてますね〜。さては恋してるんじゃないんですか?」
先輩OL「え!なんでわかったん!」

先輩OL「あかんなあ・・・隠してるつもりやったのに・・・。さ、仕事仕事!」

====================

う〜ん。さわやか。
一方↓

vol41の歌=============
初めてお便りします。左京区のP.N.壬生ッ子です。村上っち、相談に乗って下さい。
総務部の小山さんが気になり始めた矢先、どうやら後輩のN子をはじめ、部内のみんなが、私が恋しているらしい、と噂しているようなのです。きっとN子が小山さんのことを狙っていて、こんな噂を流しているに違いありません。私はこっそり想っているだけでいいんですが、噂をたてられると、いろいろ仕事にも影響が出て困ります。どうしたら良いのでしょうか。
(P.N. ただ見ているだけの女の子)
====================

うわっ。気持ち悪っ!
どうしたら良いって・・・そんなん相談されてもねぇ・・。
ていうか、ペンネームが違うし!

負けて悔しくて病気になって死んじゃったっていうの、「んなアホな」って思ったけれど。そう考えると、「そんな陰湿系な性格だったのかも・・・」ってちょっと想像しちゃうよね。

恋の歌は、独りよがりになっちゃ気持ち悪いってことを、誰か彼に教えてあげてほしい。
死んでるけど。

あ、この人三十六歌仙のうちの一人なんですね。
あらら。そんな人に向かって、私も偉そうですね。
ごめ〜んちゃ〜い。

(現代語訳は、Webサイト小倉百人一首さん http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/から引用しました。)

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さてさて。
ぞくぞく楽しい企画が始まっている衛星本公演『フルベース』ですが、

紙本明子と、私、黒木陽子のユニット、ユニット美人も3月に公演を控えており、
そんなこんなで忙しさにかまけていたのですが、ちょうど1週間前に、美人ミーティングが開かれまして。
ユニット美人の3月公演『髪結いの女たち』も負けずに頑張って行こうか!
ということになったのです。

※※12月の21日からフリンジチケットにて先行割引販売開始いたします。
※※割引額など未定ですが、多分お得になります。(頑張れプロデューサー!)

衛星の瘤、ユニット美人ではありますが、
こちらもお引き立ての程よろしくお願いします!






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