『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)
【第三十六回】

【原文】
夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを
雲のいづこに月やどるらむ
[清原深養父(きよはらのふかやぶ)]

【読み】
(なつのよはまだよいながらあけぬるを
くものいずこにつきやどるらん)

【意味】
短い夏の夜は、まだ宵のうちかと思っていたのに明けてしまった。さきほどのあの月はまだ沈んでいないはずだが、雲のどの辺に宿っていることであろうか。

【斬り!】
・・・。なんか、夜明けの歌ばかり斬っている気がする。
月だの夜明けだの。有り明けの月が何回出て来た事か!!
プンプン!プリプリ。

そう。そうなのです。
私は、そんなに夜明けが好きではない。
皆さんはどうですか?
子供の頃は、夜明けというと、張り切って早起きして見たり、
頑張って徹夜して見たり、イベント性が高く、楽しいものだったのに。

大学に入って一人暮らし始めてからの「夜明け」には、
どっちかっていうと、嫌な思い出の方が多くないですか?

全然レポートが出来ていないのに、だらだら眠ったり起きたりを繰り返すうちに夜が明けてしまった時の、あの自分を叩き回してやりたい感。

深夜バイトから帰ってきて、うっかりだらだら過ごしちゃって、夜が明けてしまった時の、あのがっくり感。

地方公演の際、夜京都を出発して、最後にみんな眠った車内でひとり運転していると夜が明けてしまった時の、あのヒロイックな気分。(これは、まぁそんなに嫌な思い出ではない。)

「『明けない夜は無い』なんて言うけれど、ずっと夜だったらいいのに」と、思った事数知れず。徹夜明けの夜明けほど、いやな時間はないやね。

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>2006/10/05(thu) 05:01
>今からちょっと眠ってすぐにお仕事です〜
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うひぃ〜!!寝て寝て!

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>2006/10/05(thu) 05:01
>徹夜明けです。シャワー浴びて始発で仕事向かいます〜
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始発!やめて〜!寝て寝て!

夜明けのメール&書き込みは、魂の叫びだ。
誰も幸せになれない。哀しい叫びだ。

そんなとき、月を思い出してね。
月に吠えたらいいのだ。
そうだ。
そうなのだ。
全部月のせいなんだ。
徹夜してしまってどうにもならない自分の心を、月に転移させちゃえ〜!

「テレポート!!」
「魔美君!」
「フャンフャン!!」

そんな感じ。(どんな感じだ)
清少納言のひいじい様(清原深養父)が、そうおっしゃっているのだ。

だから私は、藤子・F・不二雄が好きなのだ。(突然)
ダメッ子に対する温かな目線。ダメな奴でも生きている。
徹夜で仕事中毒だけど、生きている。
昼寝しちゃったけど、生きている。

彼の、その深いテーマとのび太の昼寝が大好きだ。
私はF派。

(現代語訳は、Webサイト小倉百人一首さん http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/から引用しました。)

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