『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)
【第二十七回】
【原文】
みかの原 わきて流るる いづみ川
いつみきとてか 恋しかるらむ
[中納言兼輔]
【読み】
(みかのはら わきてながるる いずみがわ
いつみきとてか こいしかるらん)
【通釈】
瓶(みか)の原を湧き出て、原を分けて流れる「いづみ川」ではないが、いつあの人に逢ったといってこのように恋しいのであろうか。(私は一度もあの人に逢ったことがないのに。)
【斬り!】
アイドルみたい。
・・・。
そんな感じ。
早!
でも、そんな感じやねんもん。
なぁ。
でも、いいと思うねん。プロフェッショナルな匂いがするから。
阿久 悠?松本隆&筒美京平?そんな感じ。
「イヅミ」「イツミキトテカ」このあたりを、ちょっと舌ったらずな感じで読
むとよろしかろう。
いやいや、私、全然否定的じゃない。
幸せな香りがするから。
**********
黒木「只今赤丸急上昇中です。ザ・中納言のカネスケクンどうぞ!」
兼輔「・・・(ちょっと無口。でも笑顔で手を振りながら)」
黒木「では、歌ってもらいましょう『ミカとイヅミ』!」
(にこやかにカメラのフレームから外れ歌のセットへ。
スモークがたかれたセットに佇むカネスケ。
ふっ・・と真剣な表情(会議認証済み)になる)
兼輔「♪MIKA!この想いが湧いて湧いて止まらない〜ルルルルル〜♪」
婦女「ギャ〜!!」
兼輔「♪(ラップ部分)I・Z・U・M・I?I・Z・U・M・I?僕たち一体全体いついついついついつ出逢ったっていうのさ。僕はまだ。まだまだまだ見ぬ君に〜♪
(歌部分)恋して〜いるのさ〜ハンハハンハ〜ン♪」
婦女「ギャ〜!!カネ様〜!」(・・・これじゃ韓流スターだよ)
・・・兼輔はその後アイドル映画等に数本出演するものの突然活動を休止。3年後、「冬嗣の夏」で、小説家デビュー。曾祖父の時代を新しい目線で描き、その年の新人賞を総なめにする。結婚とともに海外移住。伝説のスターとして10年に1回くらいのペースでカネスケブームが巻き起こり、その度に愛蔵本が出版される。また、彼の死後75年目の1005年に曾孫が「MURASAKI-
式部」としてデビューしている。
**********
そんな感じ。
(ちなみに、本当なのは、冬嗣の曾孫が兼輔で、その曾孫が紫式部で1005年に宮仕えを始めたっちゅうところだけです。他は私の妄想です。いや、この歌からインスピレーションを受けた部分です。って誰も本気にしやせんよ。そうか。そうだな。)
(現代語訳は、旺文社 古語辞典[改訂新版]から引用しました。)
|