『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)
【第十六回】
立ちわかれいなばの山の峰に生ふる
まつとしきかば今帰り来む
[中納言行平]
●読み
(たちわかれいなばのやまのみねにおうる
まつとしきかばいまかえりこん)
●意味
あなた方とお別れしてもこの国の稲葉山の峰に生えている松という名のように、あなたがたが待っていると聞いたならば、すぐにここへ帰ってきましょう。
駄ジャレの最骨頂。
稲葉っていったら。鳥取。都に帰りたいにきまってるじゃんかよ!誰が帰ってくるかってもんじゃないでしょうか。みえすいてるなあ・・・
う〜ん。そんなブツブツしか浮かんでこない・・・
っていうか・・・そんなことより、明日夜愛知に出発なんだよ!洗濯しなきゃ持って行くブラジャーが無いんだよ!
焦っているから、何も思い浮かばない。『フレンズ』もTSUTAYAに返さねば・・。
旅公演は、大変。準備もだけれど・・・。「早く京都(というより、おうち)に帰りたい・・・」と、思うの半分、その土地が好きになるの半分。ほぼ、宿泊所と公演会場の往復の日々で、観光する時間なんて無いんだけど。
なぜその土地が好きになるんだろうか・・・。
・・・今まで行ったところ(横浜と東京と愛媛だけだけど。)は、どこも好き。
横浜は、神戸に似た街並で安心できたし。
東京は、思っていたより全然荒んでなくて、人の住む街だなと(あたりまえか。人がすんでるんだもんな)。そして、行く度に地理がわかっていくのが楽しい。基本、マナーが良くて親切。おっちゃんおばちゃんの江戸っ子弁が面白い。私けっこう東京が好き。
愛媛は、山が丸かった。食べ物がおいしくて、田舎の宮崎を思い出した。何より、お客さんが暖かかった。
どこも、「また来てね〜待ってる!」って言われたならば、
「行かねば!」
っていう感じです。
はっ。
そうか。行平もきっとこんな感じ。
彼もきっと、赴任前は田舎だとか、日本海は波が荒いだとか、雪が多いだとか、ブツブツ思ってたんだよ。
赴任中も、半分は「おうちに帰りたい〜」って思っていたと思う。
しかし。いざ帰るとなったとき。
こんな気持ちになるの、分かるわあ。
きっと、鳥取の人といっぱい良い出会いをしたんだと思う。
私も、愛知の皆様ともいい出会いができればいいな、と思う。
そうね。「みえすいてる」とか思ってごめん。そんなことないわ。
人が住んでいる限り、どこも良いところだわ。
今回の愛知公演(日進おやこ劇場さんの買い取り公演)で、『珠光の庵』の今年のツアーはいったん終わり。
ああ〜日本のどこかに〜私を〜待ってる〜人がいる〜。
そんな感じで。次のツアーを楽しみに精進します!!(その前に愛知だ、愛知!!)
さて次回は・・・
【第十六番:ちはやぶる神代も聞かず・・・】
きゃああ〜業平や〜。この歌すき〜。
(現代語訳は、中央図書「古典の学習【小倉百人一首】」宗政五十緒著」から引用しました。)
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