『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)
【第十四回】
陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに
乱れ初めにし我ならなくに
[河原左大臣]
●読み
(みちのくのしのぶもじずりだれゆえに
みだれそめにしわれならなくに)
●意味
私の心は陸奥のしのぶもじずりの乱れ模様のように、忍ぶ恋のために、乱れに乱れています。
これは誰のために、このように乱れはじめたのでしょうか。私のせいではありません。みなあなたのせいです。
・・・いいねえ。
「私のせいではありません。みなあなたのせいです」
なんて言い切られると、
こちらも悪い気がしない。
遠い遠い東北地方の織物の模様が乱れているのも、
郵便ポストが赤いのも、
何か僕が馬鹿なことをしてしまうのも、
男「みんなお前が悪いのだ〜っ!!」
女「んなあほな!〜」
二人『わはははは!』
いいわあ。
自己完結していないところがいい。
自分のせいにされると、
他人事でなくなる。
男「思い詰めて思い詰めて、僕は織物の模様のように心は乱れてます」
なんて言われても
女「はあ?」
てなもんだけれど、
男「お前のせいだ〜!」
女「え?!何で!」
ってなるよね。
(あれ?これって、私、大丈夫?中学生レベルやない?
恋愛頭脳、「非常識」やったしなあ・・・。)
う〜ん。
やるじゃん融!
そう!コバルト文庫世代のみなさん、お待たせいたしました。
ついにこの人、源融です。
中学時代、読んだわ〜。
氷室冴子著:
『なんて素敵にジャパネスク』
これを読んで、「私、古典好きになろっと」って思った人も多いはず。
私も思った。だけど嫌いだった。
そう、河原左大臣は、源融のこと。
源融っていや、主人公、瑠璃姫の弟だよ!弟!
これを書くために、ちょこっとネットで検索したけれど・・
そうそう、高彬ね。吉野君ね。
めっちゃ読み返したくなってしまった・・・。
それはさておき。
あの融(実は、あんまりよく覚えていない)が、こんな歌をねえ・・・
そんな感慨にふける楽しみもあり。
あの融(実は、あんまりよく覚えていない)が・・・
めっちゃ読み返したくなったわあ・・・。
最後まで読んでないのよね、多分。
「銀の海金の大地」もな。
「漫画家マリナシリーズ」も、
「グラスハート」も・・・。
・・・コバルト文庫で、最後までシリーズものを読めた記憶が無い。
さて次回は・・・
【第十五番:君がため春の野に出て・・・】
よっ!万葉調。だいぶ、その辺のことがわかってきたよ。
(現代語訳は、中央図書「古典の学習【小倉百人一首】」宗政五十緒著」から引用しました。)
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