『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)

【第十三回】

筑波嶺の 峰より落つる 男女川
恋ぞつもりて 淵となりぬる
[陽成院]

●読み
(つくばねの みねよりおつる みなのがわ
  こいぞつもりて ふちとなりぬる )

●意味
筑波山の峰から流れ落ちる男女川は、はじめはわずかな水量であるが、流れて行くとともに水量が増して深い淵となってしまう。これと同じように私の恋心も、はじめはひそかに思っていたのだが、時間がたつとともに、その思いは深くなり、今は淵のように深い恋になってしまった。

はいっ。
まず。陽成院の説明から。
陽成院は9歳で即位。17歳で病気のため退位。と、書いてあるのをみると、ツタンカーメンのようなはかない人生を想像しますが、なんとこのおっさん、名前の横をみると、(869-949年)・・・あれっ?80歳まで生きてるよ!!
めっちゃ長生きしとるがな!

う~ん。この歌もねえ。
なんか、こう、おぼっちゃんがさらっと歌っているような。
そんな気がします。

「み」ねよりおつる
「み」なのがわ

で、韻を踏んでいるとか。

峰より「落つる」
恋ぞ「つもりて」

で、対句になっているだとか。

そんなことはいい。
恋を歌うなら、もっと狂気を!!!

そう思ってしまうのは私だけでしょうか。

ていうか、よくよく考えると、この歌ってちょっと鬱陶しいよね。
男の片思いの歌やもんなぁ。
ちょっとずつ優しくする度に
ちょろちょろ~っと音がする訳ですよ。
なんの音?って思ってたら
ががーん!!!
溜まってるがな!
恋が溜まってるよ!!

好きな人やったら嬉しいけれど、
どうでもいい人やったらちょっとびっくりだよね。

まあ、何でもかんでもあんまり溜めて便秘状態になるのはよろしくないよ、
と、私は言いたい。

・・・自分も含めて。
つもって淵になって沼になったら、腐ってしまう。
腐るのはよくない。

さて次回は・・・
【第十四番:陸奥のしのぶもぢずり】
よし。やっとどうでもいい歌二首から脱出!!これは、なんかかけそう。
われならなくに。ね。おぼえてるおぼえてる。
(現代語訳は、中央図書「古典の学習【小倉百人一首】」宗政五十緒著」から引用しました。)


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