『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)

【第十回】

これやこの行くも帰るも別れては
知るも知らぬも逢坂の関
[蝉丸]

●読み
(これやこのゆくもかえるもわかれては
しるもしらぬもおうさかのせき)

●意味
これがこの、京都から東国へ下って行く人も、京都へ帰る人も、別れては逢い、知っている人も、知らない人も、別れては逢う、その名のような逢坂の関であるよ。

「逢坂の関」というので、大阪あたりのことを指してるのか、と思いきや、近江の国と山城の国との境、ということですんで、え〜っと、家にある地図を総動員してみたところ、大津の手前、山科あたりです!(あら?違う?違うの?わからん。)やっぱり蝉丸トンネルあたりか?

と、とにかく。東側なのです。

さて。京都にお住まいの方にお聞きしたい。
・京都から名古屋方面へ行く道
・京都から大阪方面へ行く道
どちらが好きですか?

私は断然、後者です。
なんとなく、東へ行く道は狭くて暗〜い感じ。
西へ行く道は広くて明るい感じ。
(実際にそうじゃない?違う?)

これは、古今東西同じ気がします。
・桜蘭から西安へ向かうシルクロードは、なんか、つら〜い感じ。喜多郎。
『パパパ〜パパパ〜パラパ〜ラパラパ〜』
・東海岸から西海岸へはゴールドラッシュな、なんか、希望感。
『Go West〜♪フフフ〜フンフン〜Go West〜♪フフフ〜フンフン』

・十字軍遠征は陰気。悲壮。
・オスマントルコはイケイケ。

そして、それはきっと・・・。
地球が西から東へと動いているからだね〜。

そんなわけで(どんなわけだ)この歌は下図のように、
まわる球体の上をいったり来たりするようなイメージを強く持つことが重要です。
そのうえで、リズム良く読むと良いでしょう。




これや(前へ!)
この(後ろへ!)
(止まる)

行くも(前へ!)
帰るも(後ろへ!)
別れては(前へ!前へ!前へ!前へ!)

知るも(前へ!)
知らぬも(後ろへ!)
逢坂の関(前へ!前へ!前へ!前へ!)

さて次回は・・・
【第十一番:わたの原八十島かけて・・・】
はい。十首を過ぎて、だんだん記憶率が低くなってまいりました。次回は、ルーク篁。世紀魔IIです、参議篁です。地獄の使者ですね〜。

(現代語訳は、中央図書「古典の学習【小倉百人一首】」宗政五十緒著」から引用しました。)


 

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