『黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)

【第六回】

かささぎの渡せる橋におく霜の
白きを見れば夜ぞ更けにける
[中納言家持]

●読み
(かささぎのわたせるはしにおくしもの
しろきをみればよぞふけにける)
[ちゅうなごんやかもち]

●意味
宮中の御橋に霜がおりて、それが白々と光っているのをみると、夜もかなり更けたことだなぁ。

●語釈
かささぎの渡せる橋…宮中の橋 「かささぎの橋」は、七夕の夜かささぎが天の川に翼をひろげて橋を架け、織女星を一年ぶりに渡すという、中国の伝説上の橋であるが、宮中のことは天上に例えて言うので、宮中の御橋をいう。

さて。今回から、“語釈”がつきました。百人斬り。
なんというのか、ねぇ。古典をやるためには、覚えることがたくさんありますなぁ。未来の人たちも、この時代の日本文化を勉強するんやったら、ドラクエやら、ドラゴンボールやら、ドラえもんやら(3ドラ。書き出したら偶然この三つが浮かんだだけ。)を知っていなければ理解不能やと思います。

女「疲れた〜。ヒットポイント0って感じ。」
男「おらに元気をくれ〜」
女「翻訳こんにゃく〜」
男「って意味ないし。」

●語釈
ヒットポイント…ドラクエ等、ロールプレイングゲームで使用された、残り体力のこと。0になると死亡すると言われていた。MPは魔力。
おらに元気を…『ドラゴンボール』で使われた有名な台詞。元気玉を星から集めると、強力な武器になるとかならないとか。
翻訳こんにゃく…『ドラえもん』に登場する22世紀の道具。食べるとどんな言葉も訳してくれる。

「は?そんなん21世紀の人は信じてたん?あほちゃうん?ていうかなんでこんにゃくなん?22世紀って今やし。」

ね。きっとそんな感じ。
要は遊びです。遊び。
(ちなみにドラゴンボールはうろ覚え。)

さて本題。
この、「橋」は恋人を渡す為に、カラスよりひとまわり小さい鳥が、必死に翼を広げているわけです。
そこに霜が降りて、真っ白になっている姿を想像して下さい。

・・・。しんどそう。かわいそう。動物虐待。

「はよ渡らんかい。」
かささぎが必死に羽を広げて、プルプルしている姿が目に浮かびます。

プルプルしながら、織り姫を待つかささぎ。
白い霜がかささぎに降りて行きます。

「ひこぼしはん。もう寒いし、やめてええ?」
「もうちょっと待っといて。もう来るし」
「はよして〜や・・・。」

プルプルにブルブルが重なるかささぎ
白い霜は白いまま。誰も踏み荒らしてくれない。
そしてそのまま、夜が更けて行くのだった・・・。

「きゃ〜。かわいそう〜。」
「きゃはははは」
「更けて行くんや、そのまま夜は更けて行くんや!」
「そんなん言うたらかわいそう〜。」
「きゃはははは」

そう、この歌は、そんなブラックをちょっと利かせた歌なのだった!
江守徹やね。飲み屋の江守徹さん。
なんとなく。

フラれ男を見つけたら、後ろからそっとこの歌をささやいて下さい。

↑ちなみに、これがかささぎ(笑)。

さて次回は・・・
【第七番:天の原ふりさけみれば春日なる・・・】
望郷の歌。ようやく情景の歌から解放されてほっとするのだった。こういうの書きやすそうだ。

(現代語訳・注釈は、中央図書「古典の学習【小倉百人一首】」宗政五十緒著」から引用しました。)

 

 

過去ログindex■