劇団衛星代表、蓮行であります。
劇団衛星20周年企画、前にもやったんですが、またやります。まあ、20歳の誕生日パーティと成人式の宴会を別々にやるようなものだとご理解いただければと思っております。20周年企画の第1弾と同じようなことをしてもつまらないので、第2弾はユニット美人に張り合っていこうということなのです。しかし、今回の新作ですが、20年やって初めてってくらい、作るプロセスを楽しんでるんですね。作曲家のキダタローさんなんかも言ってましたが、演劇もとにかく仕事で取り組むと「嫌だ嫌だ」としかなかなか思えなくて、だいたい本番が終わるかな、という頃に「ああ、いい公演だったなぁ。わし、案外演劇好きなんやなぁ」と思うというパターンでした。ですが、今回は「あれ?わし演劇好きかも?」と思うタイミングがいつもより早く来てまして、楽しい反面少し不安です。
劇団衛星 蓮行
普通の三十路OLは今日も朝から悩んでいた。私の人生、このままでいいものか?!転職?放浪?起業?出産?海外ドラマやネットのライフハックも、もはやなにひとつ彼女の悩みを晴らしてはくれない。「明日、明日、・・・そして明日」隣人たちの大きな声ももう限界!とうとうブチ切れてしまうのか?!一方その頃となりでは、三人の女たちがおそろしい計画を練っていた・・・。
ゆっくりじっくりそんな作品ばかり作り続けてきたユニット美人も気づけば10年です。ブルマをはいたり、とんだりはねたり、怒られたり。家庭科力を身につけたりモテたくなったり31歳になってしまったり、選ばれたり選ばれなかったり、きれいな景色を見たり三国志で賢くなろうとしたり昔の服が似合わなくなってきたり。ふくちゃんが卒業したり・・・。この前、紙本さんと町家風のカフェでパンケーキを食べながらそんな過去をふりかえって、ちょっぴり泣きました。ほかの10周年の皆様と比べるとなんという軽い、うっすい涙なのでしょうか。しかしながらありがたいことに涙は涙。なんだかさっぱりいたしました。
今まで我々を支えてくださった皆様方への感謝と、くだらない涙と、あてどころのない怒りを笑いにこめて、今回も、とにかく37歳と35歳の若さあふれない体でやりたいことをやりたいようにやります!明日へむかって!
ユニット美人 黒木陽子
周年記念のコメントで、よく「こんなに続くと思ってなかったけど・・」というようなことを言ったりするけど、私は今、「20年続くなんて・・」とは一切感じておりません。絶対続けるぞ!と思っていた訳でもないけれど、続けるもんだとは思っていました。
昨年秋に記念公演①をして、改めて、これまで多くの方に支えてもらったなあ・・と、よくがんばってこれたなあ・・と感じました。たくさんの方の人生の一部に、それは例えば小一時間お客さんとして客席に座っていたことや、何かのイベントでふらっと目にした方も含めて、「劇団衛星」が存在していることに、喜びと責任を感じます。皆さんへの感謝と恨みは、一生忘れません。
今回の公演は、これまでの集大成というようなものではありません。が、これからの何年かをどのように進んでいこうか、その「プロトタイプ」な公演でもあります。そしてそれは、傍目からわかるようなことにはしていないつもりです。
これからも多くの人と出会えることを楽しみに、まずは今回の公演をよき時間として過ごしていただけるように、と思っています。
これまで本当にありがとう。そしてこれからもよろしくお願いします。
プロデューサー 植村純子